12Vバッテリー直接続小型ユニット

12Vバッテリーに直接接続される各種小型ユニット、センサー、モジュールの例です。
特に小型化に必要な電源ICの選択と、不安定な12Vバッテリーラインに対応した工夫を紹介します。

ブロック図 電源要求項目 推奨製品 特徴
降圧
1次: バッテリー直 12V → 2次用

要求仕様
VIN: ~36V
VOUT: 5V
IOUT: 500mA
fosc > 2MHz

その他

  • 小型/高放熱/低ノイズ
  • コールドクランクなどでVINがVOUTより低下しても、VOUTを極力高く維持
XDL605 / XDL606
(XD9267 / XD9268)

コイル一体型降圧DC/DC, PWM (XDL605), PWM/PFM (XDL606)

  • コイルを一体にする事により省スペースかつ高効率、高放熱、低 EMI
  • Pch SWによるDuty=100%、VIN低下に対応
  • コイル外付けのXD9267(PWM)、XD9268(PWM/PFM)もあり

AEC-Q100 Grade-2
VIN: 3~36V (絶対最大定格 40V、かつ46V < 400ms)
VOUT: 1.8V~5V (外部抵抗にて設定、XD9267 / XD9268は1~25V)
IOUT: 600mA
fosc: 2.2MHz
最大Duty比: 100% (Pch SW)
ソフトスタート: 外調可能
Power Good 機能
ウェッタブルフランク対応パッケージ (XDL605 / XDL606)
降圧
ECU用

要求仕様
VOUT: 3.0V
IOUT: 400mA
fosc > 2MHz

その他

  • 高効率
  • 低ノイズ
XDL601 / XDL602
(XD9260 / XD9261)

コイル一体型 HiSAT-COT 降圧DC/DC, PWM (XDL601), PWM/PFM (XDL602)

  • 低リップルとコイル一体型の低EMIで通信/センサへの干渉防止に最適
  • HiSAT-COT制御による高速過渡応答
  • コイル外付けのXD9260 (PWM)、XD9261 (PWM/PFM)もあり

AEC-Q100 Grade-2
VIN: 2.5~5.5V
VOUT: 0.8V~3.3V (XD9260 / XD9261は0.8~3.6V)
IOUT: 1.5A
fosc: 3.0MHz (XD9260 / XD9261は1.2MHz, 3.0MMHz)
ウェッタブルフランク対応パッケージ (XDL601 / XDL602)

降圧 / LDO
センサー用

要求仕様
VOUT: 3.0V
IOUT: 100mA

その他

  • ECUからON/OFF制御
  • 低ノイズ
XDL601 / XDL602
(XD9260 / XD9261)

コイル一体型 HiSAT-COT 降圧DC/DC, PWM (XDL601), PWM/PFM (XDL602)

  • 低リップルとコイル一体型の低EMIで通信/センサへの干渉防止に最適
  • HiSAT-COT制御による高速過渡応答
  • コイル外付けのXD9260 (PWM)、XD9261 (PWM/PFM)もあり

AEC-Q100 Grade-2
VIN: 2.5~5.5V
VOUT: 0.8V~3.3V (XD9260 / XD9261は0.8~3.6V)
IOUT: 1.5A
fosc: 3.0MHz (XD9260 / XD9261は1.2MHz, 3.0MHz)
ウェッタブルフランク対応パッケージ (XDL601 / XDL602)

XD6506

低消費低ノイズ電圧レギュレータ

  • 高周波のノイズが低く、センサーに適する

AEC-Q100 Grade-2
VIN: 1.5~6.0V
VOUT: 1.2V~5.0V
Iq: 0.8μA
IOUT: 150mA

RESET
バッテリー直 12Vラインのモニタ用

要求仕様
検出電圧: 6~7V
解除電圧: 9V

その他

  • 任意のヒステリシス幅設定
  • 解除/検出遅延
  • 12Vラインの正負サージ電圧対応
XD6132

センス(VSEN)端子分離 & コンデンサ遅延タイプ 低消費電圧検出器

  • センス端子分離で分割抵抗を用いてバッテリー直 12Vラインのモニタに最適
  • センス端子にはサージ電圧保護回路内蔵
  • 1つの外付けコンデンサによる解除/検出遅延に対応
  • 検出と解除遅延時間比は4通りから選択可
  • 機器の安定動作のため、ヒステリシス外調機能で任意の検出/解除電圧設定が可能

AEC-Q100 Grade-1
VIN: 1.6~6.0V
検出電圧: 1.0V (内部固定、センス端子に外付け分割抵抗で任意に設定)
Iq: 1.28μA

ソリューション概要

車内各部に用いられるECU制御の各種センサー/コントローラ/モジュール/ユニットの増加と高機能化で電源に対しての要求は厳しくなってきており、特に小型化、低ノイズ、低消費が要求されています。

Primary 降圧DC/DCについて

1段目で共通電圧に落とし、さらに2段目で各必要電圧に落として供給する構成が一般的で、各々1次側(Primary)電源、2次側(Secondary)電源と呼びます。1次側DC/DCはEMIを考慮し、発振周波数が2MHz以上を用います。軽負荷の状態が長く、その際の周波数低下が許容される場合はPWM/PFM自動切り替えタイプ、負荷状態によらず動作周波数を一定としたい場合はPWM固定を選びます。

またコールドクランクやアイドリングストップからの起動、長いハーネスなどにより電源ラインの電圧が大きく低下しますので、入力電圧低下時にも出力電圧を維持しやすいDuty比100%に対応したPch SWタイプが適しています。

降圧DC/DC, 36V動作 (絶対最大定格 40V、かつ46V ≦400ms )
XDL605: コイル一体型 PWM
XDL606: コイル一体型 PWM/PFM
XD9267: PWM
XD9268: PWM/PFM

立ち上がりシーケンスのために、1次側DC/DCのPG(Power Good)端子やソフトスタート時間設定を用います。1次側DC/DCが十分に立ち上がってからPG端子によってCEを駆動して2次側のDC/DCを立ち上げ、ECUの誤動作を防ぎます。

また1次側入力からのスパイクノイズや接続されるハーネスからの輻射ノイズを抑えるために1次側DC/DCの入力にサージクランプやEMIフイルタを用いるのが一般的です。XDL605のCISPR 25対応のフィルタについては以下リンク先のノイズデータをご確認下さい。

※CISPR25_Class5ノイズデータ
XDL605-CISPR25_Class5.pdf[2.6MB]

ECU向け降圧DC/DCについて

2次側のECU電源には小型、高速応答、低ノイズのDC/DCを推奨します。

降圧DC/DC
XDL601: コイル一体型 PWM, 高速過渡応答, 低EMI
XDL602: コイル一体型 PWM/PFM, 高速過渡応答, 低EMI
XD9260: PWM, 高速過渡応答
XD9261: PWM/PFM, 高速過渡応答

なお、DC/DCの発振周波数は2MHz以上を用いることが一般的ですが、1次側DC/DCのように外部にハーネスで直接接続するわけではないので、効率を求めて低めの周波数を用いることもあります。このためXD9260, XD9261には3.0MHz, 1.2MHz両タイプを用意しております。

センサー向けDC/DC、及びLDOについて

センサー向けの電源にも低ノイズによりECUと同じDC/DCが適しています。
さらに低ノイズ/リップルが重要ならば、低消費低ノイズのLDOが最適です。上図のようにLDO入力を5Vからとるケースと、ECU用3.3Vラインからとるケースの2つがあります。

降圧DC/DC
ECU向けを参照
電圧レギュレータ
XD6506: 低消費

センサーは必要時のみONさせますので、CE信号はECUでコントロールします。

入力電圧監視向けRESET ICについて

1次側の入力電圧監視用のセンス(VSEN)端子分離タイプの電圧検出器です。
装置の安定した動作、誤動作防止、適切な立上り/立下りシーケンスのために用います。

センス端子は分割抵抗を用いて1次側の入力電圧に接続されています。これによって電圧検出器の絶対最大電圧を越える電圧の監視を実現しています。
電圧検出器の信号はISPが動作可能時に必要ですので、電圧検出器の電源は1次側の出力からとっています。RESETB出力はISPのI/Oに接続されて、ISPによってモニターされます。

電圧検出器
XD6132: センス分離, HYS (Hysteresis)外調, Cd外付け解除/検出遅延, センス端子サージ電圧保護回路内蔵

この電圧検出器とDC/DCのPG機能を合わせた全体動作は以下のようになります。
例: 1次側 VIN: バッテリー直 12V, 1次側DC/DC VOUT: 5V, 電圧検出器の検出電圧: 7V、解除電圧: 9Vのケース

(a) 入力電圧投入時、コールドクランク後復帰時
バッテリー直の12Vが立上り、1次側DC/DCが立上って出力電圧が5Vに達すると、PG = "H"となります。それに伴い2次側のCE = "H"となることで、2次側DC/DCが動作し、ECUへ電圧を供給します。電圧検出器は入力電圧が解除電圧: 9Vを越えるとRESETB = "H"となり、ISPに入力電圧が正常であることを知らせます。
電圧検出器はDC/DCの出力電圧の監視はしていないため、DC/DCの出力電圧の立上り時間を考慮した、解除遅延時間を設定する必要があります。

(b) 入力電圧低下/切断時
入力電圧が検出電圧7Vを切るとRESETB = "L"となり、ECUに電圧低下を知らせます。ECUはこの信号に従い、DC/DCの出力電圧が低下前に動作停止やデータ退避等を実行することが可能です。
ここにメリットを与えるのがHYS (Hysteresis)外調と検出遅延時間です。

  • HYS (Hysteresis)外調
    例では検出/解除電圧 = 7V/9Vでしたが、一般の電圧検出器では解除電圧が検出電圧+5%程度に固定されており、このようなコールドクランク等を考慮した検出/解除電圧にすることができません。HYS (Hysteresis)外調機能を持つ電圧検出器では、任意の検出電圧および解除電圧を外部抵抗で設定可能で、変動の激しいバッテリー直の用途に必須です。
  • 検出遅延時間の設定
    ごく短い時間の電圧低下ではECUの停止させたくない場合が多く、そのために検出遅延時間を活用します。

以上のように、小型DC/DCや電圧検出器でシンプルで理想的な電源を構成できます。
以前は電圧レギュレータのみの簡単な構成が長く使われてきましたが、自動車へのECUの搭載数増加や、それに伴う小型化/高性能化に伴い発熱が課題になり、DC/DCへの置き換えが進んでいます。
さらに、上記のように特徴ある電圧検出器で制御すると、車載で要求される安全で正確な動作により適したコントロールを実現することができます。

閉じる