産機センサ(12V/24V電源)

FAをはじめ多くの産業機器にセンサ機器やセンサを内蔵したデバイス、装置が使用されています。
センサ、MCU他ロジック回路、そして有線/無線の通信で構成され、小型・高信頼性が求められます。
FAの各種ユニット/モジュール、ビル/オフィス/ホームのオートメーションやセキュリティ機器が同様な構成です。

ここでは、産業機器のIoT化も含め、小型化のためのソリューションを例示します。

※電池動作の産機センサに対するソリューションはIoTデバイスを御覧ください。

ブロック図 要求項目 推奨製品 特徴
降圧
1次: 12 or 24V → 2次用

要求仕様
VIN: ~18V
VOUT: 3.3 or 5V
IOUT: 500mA

その他

  • 小型/高放熱
  • VINが VOUTより低下しても、出力電圧を極力高く維持
XCL225 / XCL226 (XC9263 / XC9264)

コイル一体型降圧DC/DC, PWM (XCL225), PWM/PFM (XCL226)

  • コイルを一体にする事により省スペースかつ高効率、高放熱
  • Pch SWによる Duty=100%、VIN低下に対応
  • コイル外付け、発振周波数(fosc)500k/1.2M/2.2MHzから選択可能なXC9263(PWM)、XC9264(PWM/PFM)もあり

VIN: 3V~18V
VOUT: 1V~15V(外部抵抗にて設定)
IOUT: 500mA
fosc: 1.2MHz
最大Duty比: 100%(Pch SW)
ソフトスタート: 外調可能
Power Good機能

要求仕様
VIN: ~36V
VOUT: 3.3 or 5V
IOUT: 500mA

その他

  • 小型/高放熱
  • VINが VOUTより低下しても、出力電圧を極力高く維持
XCL230 / XCL231 (XC9267 / XC9268)

コイル一体型降圧DC/DC, PWM (XCL230), PWM/PFM (XCL231)

  • コイルを一体にする事により省スペースかつ高効率、高放熱
  • Pch SWによる Duty=100%、VIN低下に対応
  • コイル外付け、発振周波数(fosc)1.2M/2.2MHzから選択可能なXC9267(PWM)、XC9268(PWM/PFM) もあり

VIN: 3V~36V(46V定格 ≦ 400ms)
VOUT: 1V~5V(外部抵抗にて設定)
IOUT: 600mA
fosc: 1.2MHz
最大Duty比: 100% (Pch SW)
ソフトスタート: 外調可能
Power Good機能

降圧
MCU用

要求仕様
VOUT: 3.0V
IOUT: 100mA

その他

  • 高効率
  • 低ノイズ
XCL222

コイル一体型降圧DC/DC HiSAT-COT PWM/PFM

  • 低リップルとコイル一体型の低EMIで通信/センサへの干渉防止に最適
  • HiSAT-COT制御による高速過渡応答

VIN: 2.5V~5.5V
VOUT: 0.8V~3.6V
IOUT: 500mA
fosc: 1.2MHz

XC9258 (XC9282)

超小型HiSAT-COT 降圧DC/DC, PWM/PFM

  • HiSAT-COT制御による高速過渡応答
  • 軽負荷効率に優れた1.2MHz、過渡応答とリップルに優れた6MHz
  • SOT-25も用意、リード端子無しパッケージに制約の有る産機用途に最適

VIN: 2.5V~5.5V
VOUT: 0.8V~3.6V
IOUT: 1A
fosc: 1.2MHz, 6.0MHz

降圧 / LDO
Sensor用

要求仕様
VOUT: 3.0V
IOUT: 100mA

その他

  • MCUからON/OFF制御
  • 低ノイズ
XC9281 / XC9282

超小型DC/DC HiSAT-COT降圧, PWM (XC9281), PWM/PFM (XC9282)

  • 世界最小ソリューション(3.52mm2
  • HiSAT-COT制御による高速過渡応答
  • 高い発振周波数で低リップルでセンサに最適

VIN: 2.5V~5.5V
VOUT: 1.2V~3.6V
IOUT: 600mA
fosc: 4.0MHz, 6.0MHz

XCL221 / XCL222

コイル一体型 HiSAT-COT 降圧 DC/DC, PWM (XCL221), PWM/PFM (XCL222)

  • 低リップルとコイル一体型の低 EMIでセンサに最適
  • HiSAT-COT制御による高速過渡応答

VIN: 2.5~5.5V
VOUT: 0.8V~3.6V
IOUT: 500mA
fosc: 1.2MHz

XC6233 / XC6223XC6215

高速過渡応答/高リップル除去 電圧レギュレータ

  • RF/センサに適した低ノイズ
  • 過渡応答にも優れ、RFの電流変化にも最適
  • 100kHz以上のノイズが重要な用途には低消費レギュレータ: XC6215が適する場合も有り

VIN: 1.7V~5.5V
VOUT: 1.2V~3.6V
IOUT: 200mA (XC6223: 300mA)

RESET
12V / 24Vラインのモニタ用

要求仕様
検出電圧: 6.0V

その他

  • 5%以上のヒステリシス幅(任意の検出/解除電圧)
  • 解除遅延 20ms
XC6118XC6134

検出端子分離 & コンデンサ遅延タイプ 低消費電圧検出器

  • 検出端子分離で分割抵抗を用いて12V/24Vラインのモニタに最適
  • 外付けコンデンサによる解除遅延で立上げシーケンスを構成
  • 機器の安定動作のため、ヒステリシス外調機能で任意の検出/解除電圧設定可能

VIN: 1.1V~6.0V
検出電圧: 0.8V~5.0V(検出端子分離、内部固定)
Iq: 0.4μA

ソリューション概要

Primary 降圧DC/DCについて

産機センサに代表される12Vや24Vの電源ラインで動作する産業機器は、FAの各種ユニット/モジュール、ビル/オフィス/ホームのオートメーションやセキュリティ機器のように多くあり、特にこれらの小型化や低消費が進んでいます。

ブロック図(a)は、中高耐圧DC/DCで直接MCUの電源電圧を作るケースです。
軽負荷の状態が長い場合PWM/PFM自動切り替えタイプ、負荷状態によらず動作周波数を一定としたい場合はPWM固定を選びます。
また電源ラインの引き回しが長い場合やモーター等の動作で12V/24V電源ラインの電圧が大きく低下する用途には、入力電圧低下時にも出力電圧を維持しやすいDuty比100%に対応したPch SWタイプが適しています。

降圧DC/DC, 18V動作
XCL225: コイル一体型 PWM
XCL226: コイル一体型 PWM/PFM
XC9263: PWM
XC9264: PWM/PFM
降圧DC/DC, 36V動作(46V定格 ≦ 400ms)
XCL230: コイル一体型 PWM
XCL231: コイル一体型 PWM/PFM
XC9267: PWM
XC9268: PWM/PFM

また1次側DC/DCの出力に大容量コンデンサを用いる場合が有ります。
これは2次側にRFやモーター等のピーク電流が大きな負荷が有り、出力電圧の変動を抑制するためです。
このような1次側の出力に大容量コンデンサを用いた場合は、立上り時の過度な突入電流により電源ICの保護機能が動作することで、正常に立上げができない場合があります。
この対策としては、PG(Power Good)端子やDC/DCのソフトスタート時間調整等により、適切な立上りシーケンスを設定する必要があります。

センサ向けLDOおよび DC/DCについて

センサ向けの電源には、MCUとセンサの必要電圧が近いことから 電圧レギュレータを用いています。

センサ向けの電源には高リップル除去/低ノイズの高速LDOが最適です。
なお、100kHz以上のノイズが重要なケースでは、高周波ノイズが低い低消費タイプが高速タイプよりも適するケースも有ります。

電圧レギュレータ
XC6233: 高速 200mA
XC6223: 高速 300m
XC6215: 低消費

MCUとセンサへの電圧差が大きな場合およびPrimary降圧の出力電圧から降圧する場合は、電圧レギュレータではなくDC/DCが最適です。(ブロック図(b))

Primary DC/DCからのMCU向け降圧DC/DCについて(ブロック図(b))

1段目で共通電圧に落とし、さらに2段目で各必要電圧に落として供給する構成では、1次側(Primary)電源、2次側(Secondary)電源と呼びます。1次側はブロック図(a)と同じです。

2次側のMCU電源には小型PWM/PFM DC/DCを推奨しています。

降圧DC/DC
XCL222: コイル一体型 PWM/PFM, 1.2MHz/高効率/低EMI
XC9258: PWM/PFM, 高速過渡応答, 6MHzタイプは特に過渡応答が重要な用途に適する, リード端子付きパッケージも用意
XC9282: PWM/PFM, 世界最小ソリューション(3.52mm2)、低EMI

センサにも同様のDC/DCが適しますが、特にノイズの周波数に気をつかう場合は、PWM固定がお勧めです。

上記それぞれの PWM固定タイプ
XCL221, XC9257, XC9282

入力電圧監視向けRESET ICについて

1次側の入力電圧監視用のセンス(VSEN)端子分離タイプの電圧検出器です。
装置の安定した動作、誤動作防止、適切な立上り/立下りシーケンスのために必要です。

VSEN端子は分割抵抗を用いて1次側の入力電圧に接続されています。これによって電圧検出器の絶対最大電圧を越える電圧の監視を実現しています。
電圧検出器の信号はMCUが動作可能時に必要ですので、電圧検出器の電源は一次側の出力からとっています。RESETB出力は MCUのI/Oに接続されて、MCUによってモニターされます。

この電圧検出器と合わせ、下側ブロック図の動作は以下のようになります。
(説明例: 1次側 VIN = 12V, 1次側DC/DC VOUT: 5V, 電圧検出器の検出電圧 = 8V、解除電圧 = 8.4V(8V + 5%))

入力電圧投入時

DC12Vが立上り、1次側 DC/DCが立上り出力電圧が5Vに達すると、PG = "H"となります。
それに伴い2次側のCE = "H"となることで、2次側 DC/DCが動作し、MCUおよびセンサへの電圧を供給します。
電圧検出器は入力電圧が解除電圧 = 8.4Vを越えるとRESETB = "H"となり、MCUに入力電圧が正常であることを知らせます。
電圧検出器はDC/DCの出力電圧の監視はしていないため、DC/DCの出力電圧の立上り時間を考慮した、解除遅延時間を設定する必要があります。

入力電圧低下/切断時

入力電圧が検出電圧8Vを切るとRESETB = "L"となり、MCUに電圧低下を知らせます。
MCUはこの信号に従い、DC/DCの出力電圧が低下前に動作停止やデータ退避等の実行することが可能です。

追加の工夫

1次側 DC/DCの出力電圧の低下時、5Vから落ち始めた直後にPG信号により、2次側DC/DCが停止するとMCU停止までの時間が不十分な場合が有ります。
その場合は、1次側DC/DCの出力容量を大きくし、かつ2次側DC/DCのCEが"L"になるのが遅れるよう、CR回路を追加することが有効です。
また2次側DC/DCの出力ラインに電圧検出器を追加することで、MCUへの電源供給後に確実にMCUを起動することができず、解除遅延時間に依存しない回路を構成できます。

ここにさらにメリットを与えるのがHYS(Hysteresis)外調と検出遅延時間です。

HYS(Hysteresis)外調

上の例では検出/解除電圧 = 8V/8.4Vでしたが、検出電圧はある程度電圧が下がっても動作できるよう7V、解除電圧は立上り時の安定動作のため9Vとしたいところです。
このような7V/9.5V = +36%のようなヒステリシスが大きい設定は一般的な電圧検出器では設定不可能です。
HYS(Hysteresis)外調機能を持つ電圧検出器では、任意の検出電圧および解除電圧を外部抵抗で設定可能です。
電源ラインが長くて不安定な各種産機/セキュリティ機器等に重宝されています。

検出遅延時間の設定

短い時間の電圧低下ではMCUの停止させたくない場合が多く、その場合検出遅延時間を活用します。

電圧検出器
XC6118: センス分離, Cd外付け解除遅延
XC6134: センス分離, HYS(Hysteresis)外調, Cd外付け解除/検出遅延

以上のように、小型 DC/DCや電圧検出器でシンプルで理想的な電源を構成できます。
以前は電圧レギュレータのみの簡単な構成が長く使われてきましたが、小型化/高性能化に伴い消費電流が増加することで発熱が課題になり、DC/DCへの置き換えが進んできています。
さらに、上記のように特徴ある電圧検出器で制御すると、産機や医療で要求される安全や正確な動作により適したソリューションになります。

閉じる