電源ICを知る

トレックスの主力製品である「電源IC」が、皆さんの生活をどのように支えているかを説明します。

電源ICってなに?

人間の体にたとえると、心臓と言えます

CPUやメモリを人間の脳、オーディオアンプを口、入出力制御装置を手足だとすると、電源ICは人間の心臓に当たります。体の各器官が機能するために必要な血液を適量に送る心臓のように、電源ICは供給元からの電圧を各部品が動く最適な電圧に変換し、安定供給します。

どんなところで使われているの?

電気を必要とする機器には全て、電源ICが使われています

電気を必要とする機器には全て、電源ICが使われています。
当社製品は、デジタルカメラやゲーム機、ウェアラブル機器、スマートフォンやパソコンなどのポータブル機器から、カーナビやバックモニターカメラのような車載機器や、監視カメラや産業ロボットなどのステイショナリー機器に至るまで私たちが生活する上で必要とする身近な電子機器に採用されています。
※ステイショナリー(Stationary)機器とは据置型機器のことで、一定の場所に設置されるものを指します。

こんなところにも電源IC

自動車の電装化が急速に進む中、自動車への電子機器の搭載が加速しています。機器の総電力量が増大しそれらを制御する電源ICの重要性が拡大することが見込まれています。
トレックスでは車載電子機器にも小型、低消費技術を活かして最適なソリューションを提供しています。

トレックスは「アナログ電源IC」に特化しています

代表的な半導体の種類
種類/解説
メモリ
情報の記憶を担う半導体です。パソコンや電子機器に搭載されています。
DRAM、SRAM、フラッシュメモリ
マイコン
情報の処理をする半導体です。パソコンや電子機器に搭載されています。
CPU、MPU
システムLSI
用途に応じた情報処理を専用に行う半導体です。
ASIC、ASSP
電源IC
電子機器の動作に必要な電圧を制御する半導体です。あらゆる電子機器に搭載されています。当社は半導体のなかでも電源ICに特化して設計、開発をしています。
VR、VD、DC/DCコンバータ
AD/DAコンバータ
デジタルとアナログをつなぐ(変換する)半導体です。自然界の信号とコンピュータをつなぐ役割を担います。
ADコンバータ、DAC
アンプ
信号を増幅する半導体です。オーディオアンプや通信用高周波アンプです。
OPAMP、LNA
パワー半導体
電力の制御や変換を行うデバイスのことで、小さな電力から大きな電力まで供給可能です。電気自動車、産業機器など幅広い用途で使われており、市場拡大が見込まれています。
IGBT、MOS-FET、SiC SBD、SiC FET、Ga2o3

電源ICの製造工程

電源ICができるまで、開発設計からパッケージに到るまでに多くの工程があり、多くの人が関わっています。
トレックスで開発設計した製品工程の一部を子会社であるフェニテックで製造することにより協力体制を敷き、早期の製品量産化を実現しています。

前工程

シリコン基板に回路を作り込む工程です。

1.回路設計・パターン設計

素子を組み合わせてお客さまのご要望の機能を満たす回路を設計します。

2.フォトマスク作成

コンピュータでレイアウト・配線を図面化(パターン設計)し、マスク作成用のデータを作ります。

3.ウェハ表面にパターン形成

  1. フォトレジストという感光剤をウェハの表面に塗り、フォトマスク(写真のネガのようなもの)のパターンを1チップ分ずつウェハの表面に焼き付けます。
  2. エッチング
  3. 酸化・拡散・CVD・イオン注入

4.電極形成

素子間の配線用のアルミ金属膜をウェハの表面に作ります。

5.ウェハ検査

完成したウェハのチップをテスターで検査します。不良品にはマークを付けます。

後工程

作り込まれた回路をパッケージに封入します。

6.ウェハのダイシング

ダイヤモンドを使ったカッター(ダイヤモンドブレード)でチップを1個ずつに切り離します。

7.チップのマウンティング

チップをリードフレームと呼ばれる金属板の中央に固定します。

8.ワイヤーボンディング

チップとリードフレームを金属のワイヤーで繋ぎます。

9.モールド

チップをゴミや水分、衝撃から守るために樹脂で封入します。

10.トリム&フォーム

封入した製品をリードフレームから切り離し、外部のリードを所定の形に加工します。

11.マーキング&製品検査

パッケージの表面に製品名等をレーザーで印字した後、製品の最終検査を行い良品だけを選別します。

完成!
完成した製品はお客様の元へ納品されます。