電圧レギュレータの製品選定時には、電圧レギュレータに印加される電圧が入力電圧範囲内(動作電圧範囲内) かつ 絶対最大定格以内であることを確認する必要があります。
CMOSプロセスでは、耐圧と微細化(素子サイズ)は相反する関係になっているため、大は小を兼ねるように高い入力電圧範囲・絶対最大定格の製品を選定すると、チップサイズの大型化や性能が低下する傾向にあります。 実際の用途に応じて、最適な入力電圧範囲・絶対最大定格の製品を選定することが重要になります。
入力電圧範囲
入力電圧範囲は、”ICが正常に動作可能な入力電圧範囲” を意味します。
基本的には、ICは入力電圧範囲内で正常に動作するように設計されています。そのため、実際に入力される電圧が入力電圧範囲内になるように、製品を選定する必要があります。
これに反し、入力電圧範囲外でICを動作させると、
(a) スペック外の特性が出力される
(b) ICに搭載している機能が誤動作する
の原因となります。
ELECTRICAL CHARACTERISTICS
PARAMETER | SYMBOL | CONDITIONS | MIN. | TYP. | MAX. | UNIT | CIRCUIT |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Input Voltage | VIN | 1.6 | - | 6.0 | V | ① |
絶対最大定格
絶対最大定格は、”この範囲を一瞬でも超えたらICが破壊する可能性が有る 電圧・電流・温度” のことです。絶対最大定格を一瞬でも超えたら破壊や劣化の原因となりますので、絶対に超えないように設計して下さい。
ABSOLUTE MAXIMUM RATINGS
PARAMETER | SYMBOL | RATINGS | UNITS |
---|---|---|---|
VIN Pin Voltage | VIN | -0.3 ~ 6.5 | V |
VOUT Pin Voltage | VOUT | -0.3 ~ VIN + 0.3 or 6.5 (*1) | V |
CE Pin Voltage | VCE | -0.3 ~ 6.5 | V |
VIN端子では、絶対最大定格は-0.3V~+6.5Vと記載されており、この範囲外の電圧が印加されないようにする必要があります。
またVOUT端子のように高い側の規定が “VIN+0.3V or 6.5V” と記載されている場合は、この二つのうち低い方が絶対最大定格として適用されるので、注意が必要です。