DC/DCコンバータXC9235/XC9236/XC9237の実例に学ぶ低リップル設計(4/5)

なぜPFM/PWM自動切替わり時に低リップル化ができたか

このICの最大の特長が、PFM動作からPWM動作へ移行する際のリップル電圧の低さです。 軽負荷から重負荷へ変わっていくと、PFMのパルス間隔はだんだんと詰まって行きます。 やがてPWM動作の周波数に達したところでPWM動作に移行します。しかし、従来品では、PWM動作になる手前で、きれいに分散したパルスを発生する事ができず、群を成したパルスを発生する事があります。(図14参照)

(図14)従来品 連続パルス波形

スイッチングが均一分散しないので、リップル電圧に大小が生じている。(従来品のPFMスイッチ電流は、120mA)

PFM動作では、負荷電流が大きくなり出力電圧が下がるとスイッチングを行いますが、この時1回のスイッチングで出力電圧が回復しない時、続けて2回目のスイッチングを行います。 2回目のスイッチングでも回復しないと3回目を続けて行います。 出力電圧が回復するまで連続してスイッチングを行うため、コイル電流が局部的に重畳され大きくなり、出力に大きなリップルを作る原因になります。
PFMでは間欠的にスイッチングしているため、均等にコイル電流を分散させず、部分的に電流が大きい状態でも、出力電流と出力電圧のバランスをとってしまうのです。

これに対し、PWM動作では一定周期でスイッチングを行うため、コイルの電流を一定の電流に平均化させて分散させる必要があります。
XC9236シリーズのPWM/PFM自動切換え制御では、この局部的な群の発生を飛躍的に抑え、分散され平均化された電流を維持したまま、PFM動作からPWM動作へ連続的に移行されることで図15のように全負荷域での低リップルを実現しています。

(図15)XC9236リップル VS 負荷電流・コイル電流グラフ

入力電圧:3.6V 出力電圧:1.8V

出力電流=10mA
1回のスイッチングで動作しています。

出力電流=50mA
負荷電流が大きくなっていますが、連続したスイッチングは無く、均一な1回のスイッチングで動作しています。

出力電流=100mA
更に負荷電流が大きくなり、PWM動作の周波数に近付いていますが、均一な1回のスイッチングで動作しています。

出力電流=200mA
PWM動作に切り替わり動作しています。また、コイル電流が重畳しています。

上:出力電圧リップル(10mV/div.,1µs/div.)
下:コイル電流(100mA/div.,1µs/div.)

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