ダイオードチャージポンプによる多電圧出力

概要

マルチ電源を安価に作成する場合、また簡単に負電圧や高電圧が欲しい場合、ダイオードとコンデンサによるダイオードチャージポンプが有用です。電源電圧の整数倍の正、または負電圧をICやコイル等を無しに発生でき、10mA程度まで効率よく出力することができます。ここではその基本回路について説明します。

特長

  • ショットキーダイオード(小型で安価な2個入りが最適)、セラミックコンデンサのみ
  • 正/負電圧が可能
  • チャージポンプ動作で高効率
  • DC/DCコンバータのサブ電圧出力として最適

動作説明

図1が基本回路です。VOUT1が1倍、VOUT2が2倍、VOUT3が3倍の出力を示します。昇圧はクロック出力と電源を用いてN(≧2)倍の出力が、反転はクロック出力のみで-N(≧1)倍の出力が段数を重ねる事によって可能です。各段にてショットキーダイオードによるロスがあり、N倍での出力電圧は

VOUT(N) = VIN × N - VF × 2(N - 1) - (α)

Vf:ショットキーダイオードの順方向電圧 α:その他のロス分

となります。

図2は回路バリエーションです。こちらの方が立ち上がりが早いですが、安定度は若干悪くなります。図3は昇圧をクロック出力のみで行う方法です。ダイオード、コンデンサが追加になりますが、別途電源が不要になります。

これを用いたマルチ電源回路例を図4に示します。このようにXC9103シリーズのような1chのDC/DCコンバータだけで容易に正負多電圧出力が可能となり、PDA、LCD等に最適です。もちろんDC/DCだけではなく、クロック(方形波)出力があればどこでも回路が組めますので、各種応用が可能です。

回路

図1.基本回路(1)

図2.基本回路(2)

図3.クロックのみの昇圧

図4.マルチ電源回路例

閉じる