世界では、地政学的リスクの拡大の懸念、深刻な地球環境問題など、先行きの不透明感が一層強まっています。
このような時代だからこそ、当社の企業理念である「豊かな社会の実現」「地球環境の保全」「すべての人々が共に繁栄する」といった言葉に従い、着実な成長戦略のもと社会や仕事への取り組み、そして組織文化の変革が必要であると考えています。
当社の主力である電源ICは、世界中で幅広いアプリケーションやデバイスに採用されています。そしてそれらの製品が社会にもたらす価値と影響は計り知れません。
エンジニア出身である私にとって、目の前に置かれた超小型の電源ICは技術的な好奇心の対象である一方で、その小さな電源ICを通して当社のビジネスが成長し、世界に広がっていく姿を見てきました。そして今、その未来もしっかりと見据えています。
当社の成長戦略の鍵となるのは人材に他なりません。半導体業界は技術革新が激しく、その進化のスピードは加速しています。経験豊富なエンジニアが多数在籍していることは当社の強みではありますが、同時に、若手エンジニアの育成も急務となっています。一般的に設計エンジニアがキャリアを積み重ね、知識や経験を吸収してやっと一人前に成長するまでに10年程度必要だと言われています。
プロフェッショナルなエンジニアを育成するためには、経験豊富なエンジニアと若手エンジニア、そして部署の垣根を超えた積極的な交流によって生まれる、新たなアイデアの発案、ビジネスの発想、そして何より技術の継承が不可欠であり、それらが人材育成のスピードアップにもつながると確信しております。近年のテレワークの普及に伴い、コミュニケーションの減少には課題を感じていました。従業員同士が交流のしやすい環境を整備することで従業員の成長を促進させる取り組みの導入を検討していきます。
当社は創業時より独自の技術力を磨き成長し、トレックスブランドを世界に確立したいという強い志を抱いています。今後も更なる探求心を持って技術開発を進め市場が要求する製品品質の向上に全力を注ぎます。一方で新しい技術や市場動向に対しアンテナを広げ、当社の技術力向上に向けたアライアンスを積極的に進めてまいりたいと思います。小型化、高効率化、低ノイズ化など、顧客が求める多様なニーズに応えるための努力を惜しまず、世界中でトレックス製品が採用されるよう、ブランド力と製品価値をさらに高めてまいります。
