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メッセージ

価値提供のサステナビリティを追求

企業という存在は、営利集団として市場競争に勝ち、利益を確保することを目的としてきました。そして、利益を長期に上げ続けていくために、ステークホルダーとの共存・共栄が重視され、リソース配分や利益還元によって事業の継続性を担保することが、企業の責務と認識されるようになってきました。

今日の企業経営におけるサステナビリティのテーマは、こうした利益創出や事業そのものの継続性について、環境・社会・経済の持続可能性への配慮という視点で捉え、課題の解決を図るものと考えられます。私たちは、変革への挑戦や多様性、柔軟性をもって世の中の変化に対応し、事業を存続させながら、同時に製品・サービスによる価値提供を利益の拡大につなげ、事業の価値を高めることが求められています。その実践において、環境・社会・経済の持続可能性に寄与することが重要になっているのです。

1995年に設立した当社グループは、当時から掲げる企業理念に「豊かな社会の実現」「地球環境の保全」「すべての人々が共に繁栄する」といった言葉を用い、現在のサステナビリティ経営につながる考え方を示してきました。電源ICに特化した事業を志向する中で、その社会価値を先駆的に意識していたと言えます。しかし現在が当時と異なるのは、気候変動をはじめとする多くの環境・社会課題がより切迫した状況になっていることです。

当社グループは、電源ICとパワーデバイスで脱炭素社会を実現する「グリーントランスフォーメーション(GX)」を推進し、低消費電力・小型化技術によって、あらゆる電子機器の高効率化や省エネルギー化、省資源化に寄与しています。同時に当社グループの製品は、5G通信、IoT機器、EV・自動運転車やロボットに欠かせないセンサーおよび制御システムなどに必要不可欠な機能・性能を提供し、環境負荷の低減のみならず、安全・安心で豊かなスマート社会の実現にも大きく貢献していきます。

しかし、こうした環境・社会課題の解決や貢献も、当社グループの電源ICやパワーデバイスが単独で成し得るものは一つもありません。私たちは、さまざまなメーカーとの協業を通じて価値提供の幅を拡げ、ともにサステナブルな社会の実現を目指しています。

また社内では、グループを挙げてESG経営の推進に注力しています。「ISO14001」に準拠した環境保全活動や環境規制対応、地域社会への貢献、優れた価値提供を支える人材の育成と労働環境の整備、そして健全な経営と企業価値の向上に資するガバナンスの拡充など、ESGの各テーマにおいてサステナブルな企業を実現すべく、引き続き施策を強化していく考えです。

私たちは、価値提供のサステナビリティを追求し、環境・社会課題の解決に寄与する事業活動に誇りを持ち、未来に向けてさらに発展させてまいります。

代表取締役社長 芝宮孝司